まだ見ぬ君に 61.12.08

気付きのカケラ、と健忘録

キャップ構造にも、思いは詰まっているのかな

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万年筆のキャップは回し外すタイプと、一般的なペンのように引いて外す嵌合式があります。今回、面白いと感じたのは回すタイプ。手元にある10メーカーほどで確かめたところ、回す回数はそれぞれ1回〜2回ほどで大した違いはありません。個体差もありますが意図的に設計で変更している物もあり、万年筆の作り手の意識を垣間見れる気がします。

 きっかけはモンブラン2017作家シリーズのサン=テグジュペリ。ペン先には星があるものの「夜間飛行」をモチーフにした万年筆です。このペンは1回も回さずにキャップが外れます。彼の作品には、使いたい時に素早く書きたいという思いも感じていたので、ちょっと嬉しく感じました。されに、キャップ機構が優れもので、高品質のダンパーをイメージさせる気持ちよさで開閉します。キャラクターに合わせてデザインした設計ですがどこまでが作り手で、どこからは使い手の勝手な思い込みなのかと考えるのも楽しいものです。ちなみによく使う同じシリーズのバルザックは重く重厚なキャップですぐ外れては困りますが、ねじ切りが多く切ってあり安心できます。

 他メーカーはどうかと思い、同一メーカーで比べられるモンプラン、ペリカンアウロラを試しました。ペリカンはどれも一回ほど。モンブランの作家シリーズは、バルザックが約2回弱、シラー1回半など。ちなみに149(80年代前半)は一回ほどで使いやすいのですが70年代の146は半回転で外れてしまいます。インクの乾きもやや早いのでこれは個体差かな。限定品ではモンプランがデザインや重量とバランスも違い、それがペンの性格と重なって個性的な面白い万年筆になっているので好きですね。ただ価格が高いのでそうそう手が出せない。。

 最後に大好きなアウロラは限定を含め、形状の違いで4タイプ計8つを試しました。結果は一つを除き1回半。インテルだけが2回転だがマーレや88にオプティマは全て同じ。意識していないのか、精密さと考えて優秀なのかはよく分かりません。ただ一番多く持っていて、どれも同じリズムで使えるのは良さと見ています。他のメーカーも含めて1回転半が一番多いですね。

ちなみに嵌合式も好き。一番のお気に入りは軸色とインクを合わせやすいビスコンティのゴッポでペン先はEF。赤と緑のインクを入れて、キャップの開け閉めが多い添削や赤入れにはマグネット嵌合が何より便利です。