まだ見ぬ君に 61.12.08

気付きのカケラ、と健忘録

コロナ禍の旅

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コロナに合わせて鬱々していても仕方ないと、連休中に小さなイベントを入れました。最近張っていなかった一人用テントを引っ張り出し、一夜の旅に出たのです。娯楽はシンプルに本とウイスキーを少々。誰にも迷惑をかけずに人目を憚ることもない絶好のキャンプ地があります。日常から非日常に一枚の薄布で外界と仕切るだけで切り替えられるのがテントの良さ。カジカガエルの声も聞こえる場所で、コロナがなければやらない今日の旅は一晩限りのテント泊です。

夕方、家からキャンプ地に道具を一抱えして、すぐテントの設営。見晴らしはいいけど、キャンプスペースは狭い立地ですがシングル敷布団1枚分ほどのスペースで張れる一人用テントなのでなんとか。でも、もう少し敷地が広ければなぁ。山や外で寝るのが日常だった頃があるので、妙に懐かしいテント泊。外を眺めれば数キロ先には夜景も見え、思いの外に静かでした。初めてのキャンプ地なのでまだわからないけれど、案外いいのかも知れません。

 テントの中で最初に思ったのは、ミニテーブルを置いて2時間なら仕事ができるかも。余計なことを考えずに今はのんびりと本を読んで過ごします。そして眠くなったら眠ります。どうせ明日は眩しくて早朝には起きるのだから。寝ている間に3度ほど救急車のサイレンを聞きました。一度は「右に曲がります」と声も聞こえました。昼夜を問わない消防の偉大さを思いながら又眠ります。

 朝は、鳴く鳥の声が変化しながらやがて蝉が鳴き出して目覚めました。いい目覚めで久しぶりに夜の時間がゆったりとでも濃密に流れるのを感じました。山中とは違いますけどね。テントのジッパーを開けて外に出て、くれぐれもベランダの扉の鍵をかけてくれるなと念押しした通り、扉は無事開いて帰宅です。

コーヒーを沸かしながら外を眺めると、一夜を過ごしたテントがベランダに座っています。今日が始まるんだなぁと、いい目覚めの朝でした。